天国の門 1










































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「確かにあなたを見ました
今どこにいるんですか」






「私はあなたの中にいます

コミュニケーションのために

共通の場をつくろうと思って中にはいりました

ある経験をさせてあげようと思うので

広がってください」







「もうそれはできますよ」






「できるのは知っています

でも方法を変えてみましょう」







「どういうことですか?」






「ちょっと待てばすぐわかります」





………







一瞬すべてが自分の中にあると感じ
自分が広く
拡大したことが感じられた







「生命の脈拍になってください



自分が誰であるかを忘れて」






「いや怖いな」






「自分が分離した存在であることを忘れてください



いくら自分で自分の人格を取り払ったと思っていても



まだ縛られているんです」





「どういう意味ですか?」





………

































………







「自分が特定の存在だと思うのをやめてください」





「私が神の中で消えてしまうようにといっているのですか」





「なぜですか


生命の息吹きになり


ここにも


あそこにも


すべてのところ


すべての中にいても


自分がきえてしまうと考えるのですか」





「ええ」





と私は言った





「それでも


あなたはもっと大きくなり


拡大し


消滅することはありません


自分が存在性を失うことなく


自分の限界から解放されるのです


ゼロにはなりません


この場を使いなさい


この場の息吹




生命の息吹になりなさい


どのくらい美しいか見えますね」





………







































………





「私は怖いんです」





「ちょっと待ってください


私を通せば


怖くないことがわかります」






………




















………




「どうも混乱しています
自分が存在していることは分かるんですが」






「鏡をみて

自分は存在すると言ったときは

それは幻想なのです

自己のことを話す時

何を理解していますか」






「愛です」






「私たちは完全に合意に達しましたね

愛と言うとき

愛している人のイメージを意味していますが

それはあなたが愛するものとひとつなるということです

それはあなた自身ではありません」






………










「メッセンジャー」

Kyriacos C. Markides (著)
より一部抜粋

























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migiwa tanaka