まわりをとり囲む山並みのふもとに
雲が掛かったかと思うとどんどん駆けて行く
空をぜんぶ見渡せる場所にくると
雨雲がやってきて
去っていくのが体感できる
私はその大気の鼓動のただ真ん中に
ちっぽけに居るのが好きだ
時々山の方に澄んだ青空がみえる
まるで初夏の入り口の扉みたい
田んぼに水が引かれる季節なので
あちこちに空や山を映す鏡が出現します
夕暮れ
蛙の声が束になり
波のようにうねりをもって押し寄せる
ほのかな家灯りが
長く尾を引いて
みなもに映りこむ
静かなる天国は
いまここにある
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migiwa☽ tanaka