大暑 滝とひぐらし交響曲
「長年の旧友である私から、あなたにアドバイスがあります。
それはあなたの心のもっと奥深くを見つめるということです。
そして植物や動物や森林などの
自然な存在との間につながりを見つけ、
その結びつきを心で感じてみてほしいのです。
植物や動物はあなたに共感的知性が
育つように促してくれるでしょう。
そのやり方は人によってまちまちです。
ですから、全員の人をひとくくりにするような方法は示せませんが、
多くの人に使えるようなシンプルなやり方を紹介しておきましょう。
これは一人になれる場所で行います。
あなた方は近くに人がいると、
自分をベールあるいは膜のようなもので覆い隠してしまう傾向があります。
自分が信じる自己イメージに合わせて、
自分ではない何者かを演じてしまうのです。
しかしそれらの多くは全く真実ではありません。
ですから、このような働きかけをする時は
周囲に誰もいない方がいいのです。
あなたが幸いにして森や自然の近くに住んでいれば、
その環境を使いましょう。
また、 可愛がっている動物がいれば
ーもちろんぬいぐるみや玩具でなく、
息をしている生身の動物ですー
協力してもらうことができます。
自然環境にも動物にも縁がない人は、
植物を用意してください。
準備ができたら、自然の中で、
あるいは動物や植物と一緒に座ります。
そしてあなたの意識を胸あるいは心へと移してください。
すると、 気づきがはじけてビー玉のように
頭の中を動きまわるでしょう。
それを再び胸に戻します。
これにはかなりの時間を要するかもしれませんが、
やがて何かハッとするような瞬間が訪れ、
周囲の自然やそばにいる動物もしくは植物に対する
大きな親近感と深い愛がこみあげてくるでしょう。
そして最終的につながりの感覚、
自分が他の生命体と共に在るという気づきに至ります。
この気づきは共感的知性のはじまりです。
たとえ人類文明がその集合的な心から離反し、
自己破壊に向かっていようとも、
あなたがその一員である必要はありません。
歴史の中で地球が今狂気の渦中にあったとしても、
あなたさえ共感的知性を育んでいれば、
ある不思議なやり方で、
つまりミクロ量子効果によって
集合的な影響を及ぼすことができるのです。
これはいい加減な思いつきなどでなく、
れっきとした物理学なのです。」
220~221頁より部分抜粋