宵月夜の夢





なんていいんだろう

心を中心の軸に戻してくれる虫の声


リリリリ

リーンリーン

チッチッチッチッ


そこにパタパタと忍び寄る

通り雨の足音


ああ、音の合間から


向こう側の世界へ引き込まれそうだ



...
















窓を開けると


饗宴の音がこぼれてくる


夜半だが、虫たちの鳴き声で庭はいっぱいだ


宵の空には輝く月がのぼる


あたりは夜の匂い


...



















...



ゆうちゃんの気配を感じるとき


両手を差し出してみる


この上に重ねてね


一度だけ、ほんのり小指のイメージがあったときがある


こそっと


ゆうちゃんらしく


空想かな


でも手を重ねてくれているって信じて手を出している


...











































スケッチをしていて

またみた!


月の下にみっつ、不思議な光が斜めに並んでいた


星?


まだ宵の明るい空で、マイナス等級の木星がやっとみえたところ


なんだろう?


やがてすうっと消えてしまった


今年に入ってから、


何度か不思議な光を空にみる

 































































妹と話したい一心で、瞑想を日に15〜20分くらい続けている


(それ以上は中々続かない、単にうたた寝だって説も・・)


BGMは冒頭の


Arvo Pärt: Spiegel im Spiegel


「鏡の中の鏡」









九月二十七日の瞑想



思いもよらない人のイメージが出てきた


義理の故祖母だった


沖縄の、あのサマリア人というような名前の


海の見える小高い病院の一室


壁一面が窓になっているみたいだった


明るい空が広々とみえて、祖母は頭を空に向けて寝ていた


なんという理由もなく、その人が沖縄の祖母だとわかった


次の瞬間我に帰り、そのあとは瞑想もつづかなかった


何故だろう?


生前には一度会っただけで、お顔もうろ覚え


あまり思い出しもしなかった


いまも向こう側の世界で、同じようなあの部屋で、


休んでいるのだろうか?



...








九月二十八日の瞑想




白いこざっぱりした塗り壁の建物


外の光が入ってくる


看護婦さん?


女の人がひとりついている


ゆうちゃんの部屋には


高いガラスのシンプルな花瓶に


赤い花が一輪、活けてあった


がらんとした、でもさっぱりとした白い、


青い空を映した光が入ってくるような建物


でもゆうちゃんの顔や表情はわからなかった



...





スケッチの後


星空を眺めて祈った


ゆうちゃんありがとう


わたしの妹として生まれてきてくれてありがとう


いま私にできることあったら言ってね




...










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migiwa tanaka