中秋の名月 秋分と夜明けの夢
九月は心が揺れて、震えて
どうしようもなく
実際に、心身が毎朝、毎夕痛んだ
右足が向こうの世界
左足がこちらの世界に
またがっているような気がする
それで、こちらの世界に生きている人とは
齟齬を感じてしまうことがある
ときには、向こう側に強く引っ張られる
そんな時には歩くといいと教えられた
「大地は人とつながっている、孤独ではない」
日々少しでも、大地に親しむようにしている
西が好きなので
西の水辺にばかりに足が向く
夕方、水のほとりの冷たい空気が頰に触れる
冷たくて清涼な空気に
少し目が覚めたような気がする
明るい秋の夕陽のような色の
シトリンのスターカット
半連手に入れて、ブレスレットとイヤリングに仕立ててみた
シトリンを身につけるのは初めて
何気なく調べて見たら、下記のように書いてあって
ちょっとだけうれしくなった
「シトリンと相性の良い方位は西南です。
心身のゆがみを正すように
心を整え南西の方位に出掛けるのが吉。
しっかりと大地を踏みしめる感覚で
ウォーキングすることがポイントです。」
9/16
悲しいに輪をかけて悲しいのが
悲しむことをやめるようにと、言われるとき
息を止めろと言われるような気がする
私には、悲しむ自由ってないのかな
また、悲しむことって自然じゃないのかな
小さくほっと息がつけるとき
悲しみに、抗うことなく
悲しむだけ、悲しんでいいよと言われるとき
私の周りに小さな空間が現れる
その中で、小さくほっと呼吸をする
悲しみってネガティブなことなのかな
悲しみはエゴなのかな
悲しさは愛しさの裏返しって
私も思うけどな
9/16
やっぱり月を描きたくなる。
最初は今夏スケッチした
雨の湖を描こうと思っていたけれども
あんまり、気持ちがすすまなくなる
何枚も描いてきたけれども
やっぱり今も月がいい
月の光はやさしいから
改めて、手のひらサイズから始めてみる
小さい絵は心の窓だ
元気がないときは
小さい絵からもう一回始める
小さな窓に心を映していく
9/17
昨夜、本当に久しぶりにゆうちゃんの夢を見た
どこかの施設で、私はゆうちゃんと一緒に過ごしているのだが
私がゆうちゃんの看病をしているようだった
それで、誰かに何か色々インタビューをされるのだが
「ゆうちゃんは記憶を半分失っています…」
と、私は泣きながら答えていた
「私が石垣島に住んでいるとき、
ゆうちゃんは素晴らしい贈り物を持ってきてくれました
だから今、そのお返しとして、看病しているのです」
と、私は話していた
起きてみて…
贈り物というのはちょっと違うのだけど
昔、私が石垣島に住んでいたときに、ちょっと辛かったとき
ゆうちゃんは、何度か東京から飛行機に乗って
遊びに来てくれたことがあった
(その時のことは思い出深い)
なんだか不思議な夢だったな
今年は昨年よりも一週間ほど早く
庭であかりが灯ったように
赤、白、彼岸花が咲いている
9/19
十三夜にはウッドデッキに
キャンプ用のベッドを持ち出して
月の光の下でしばらく
ぐっすりと寝ていた
それでなくとも
ここ連日で月をスケッチしていて
月の光をたくさん浴びたせいか
少し心身が癒された気がする
月の下で月を描いている時
心身がスッキリとすることがある
身体のまわり、一メートル周囲くらいの空間が
すっきりと洗い流されたような
そんな感じがするのだ
今までの経験で
体調が急に反転するくらい変わるのは
月の光と雷なのだ
今夜は御誂え向きに
秋の雷が鳴り響いている
時折鋭く光る閃光と
パリパリと高音から降りてきて
ドスンと地に響き渡る雷鳴
部屋の明かりを消して
窓際で、光と音のショーを楽しんだ
雷鳴が心身に響くのを楽しんだ
その振動が気持ちいいのだ
セロ弾きのゴーシュのセロの中に入ってしまう
子ネズミみたいだなとも思った
9/22
秋分の日の夜明け
ゆうちゃんの夢を見た
こんなに長いのは初めてじゃないかな
とても長い夢だったし
色々と全部は思いだせないけれども
長いこと話していた
妹は、新しいところに住んでいた
窓が天井までの広い部屋にいた
再会がうれしくて、でもぎこちなく
そっと妹とお互い抱擁した
妹は、昔のようなショートカットで
二十代~三十代くらいに見えた
窓の外は、どこか、
少し遠い土地の自然の風景のようだった
清涼な風景に見えた
初秋の高原のような感じでもあった
窓際にパネルヒーターのようなものがあり
その配管のようなものには水かお湯が通っていた
寒がりだから、頼んで、そういう設備にしてもらったらしい
そこへは引っ越してきたばかりだそうだ
色々な荷物を持ち込んでいて
広々とした家の
そこらへんに無造作に置かれていた
荷物もちの私よりも、大きなものがあり
大学の木工室にあるような、製材機があるのには驚いた
誰か先輩か上司がもう要らないと言うことで
運び込んできたらしい
ピアノもあったと思う
妹のピアノの録音を聴かせてもらったようだった
それは、たぶん、
私が弾きたかったバッハのカンタータ29だった
難しい曲で、かなり間違いだらけで弾いていたが
私は一生懸命拍子を取りながら聴いていた
このピアノに合わせて
私は昔習っていた
バイオリンを弾きたいと思った
目覚めて、忘れないうちに慌てて書き取った
久しぶりに、身体の軽い朝だった
9/23
秋分