春めき桜と「My life after death」3
第29章 「信じてほしい」
ぼくは、まだ別の次元で生きている。
(以下本文より部分引用)
みんなが信じてくれることがぼくの心からの願いだ。ぼくは、まだ別の次元で生きている。これはすべて現実なんだ。そのことを一番信じてほしかったのは母だ。
ぼくが死ぬまで、母は死後の世界の存在を信じていなかった。
でも僕が死んでからは、信じざるをえなくなった。疑う人から信じる人になるまでの道のりは、母の魂が結んだ契約の一部なんだけど、それと同時に、母にとっては、生きるか死ぬかと言う重要な意味をもっていたんだ。
…母は長い間、自分の目で見て、鼻で嗅いで、指で触れるものしか信じないタイプの人間だった。物事には必ず科学的な根拠があると考えるタイプ。
…そういうわけで、ぼくがやったのは、母が信じているものを利用すると言う手だった。
母は目に見えるものなら信じていたから、ぼくはそいつを動かしてみたわけだ。
死の数日後、姉が撮った写真に光の玉(オーブ)となって映り込んだ時も、まさしく母に希望を与えたい一心で、ぼくが最初の頃に試したことの一つだ。
…もちろん疑う人から信じる人に変わるまでの旅には、母が自らの意思で踏み出さなくちゃならなかった。でもきっとそうしてくれるだろうと僕は確信していた。
息子を失った悲しみで母の心は血を流していた。僕はその血を止めたかった。
母が再び歩き出し、成長し、さらには人を助ける人になれるように、僕は応援したかったんだ。
スピリットになったぼくが初めて人間の姿で母の前に現れたのは、死後しばらく経ってからのことだ。
… あとになってわかったことだけど、急に母がぼくに気づいたのは、彼女のエネルギーがようやく開かれて、ぼくを受け入れたからだった。
一方通行じゃなくて、ぼくたちの間でエネルギーが双方向に流れるようになったとたん、母の目の前にぼくがぬうっと姿を現したというわけだ。
…自分がやろうとしていることにハート意識を集中させる。ぼくのエネルギーはあまり物質と共鳴しないから、自分のエネルギー体のコアの部分を使って、エネルギーの振動数を落としていく必要がある。
ぼくを高速回転するミキサーだと思って欲しい。君がのぞき込んでも、ミキサーの中には混然一体とした塊状のものしか見えない。でもぼくが思考と愛とハート意識を集中させてスピードを落とすと、ミキサーの中身は見やすくなる。
…母はぼくの周波数に同調できるほどの落ち着きを取り戻し、心を開き始めていたんだ。通常、地球の自宅に行く時のぼくは、母よりもエネルギー周波数が高いので、母にはぼくが見えない。ぼくは人間の目には見えないほど高い周波数で振動している。
でも僕の死後、母が長らく陥っていた状態を考えると、双方が歩み寄らない限り、出会うことは難しかった。何しろ、悲しみに沈んでいる人の周波数にスピリットが合わせるのは至難の業なんだ。そういう人はエネルギーの可視領域の内で、もっとも低いレベルで振動している。だからこそ「落ち込んでいる」とか「気分が沈む」って表現するんだ。
(以上274から277ページまで部分引用)
ぼくは、自分自身が一種の電流みたいなものだから、電流をいじるのなんて朝飯前。自分のエネルギーを電気エネルギーとミックスさせて、電話機に入り込んで操作すればいい。
何も電話システム全体を通過する必要は無い。「よし、母に電話をかけるために、電波の中継所があるバージニア州まで行って、そこから母の番号ダイヤルしよう」なんてことはしない。直接家に行って電話機をちょいちょいと細工するだけ。
…電話がつながった時、ぼくはスピーカー越しに「お母さん、ぼくだよ、エリックだよ」と言った。母はすっ飛んできて受話器を取り上げたけど、間に合わなかった。でも母には僕だと分かった。
ぼくは、母以外の家族にもいたずらをする。家族の注意を引いて笑わせるには、それしか方法が思い付かない。いたずらは、家族とつながって、コミニケーションを取るための、ぼくなりのやり方なんだ。
…ぼくが家族に悪ふざけをする一番の理由は、なんといっても愉快だからだ。
もちろん家族を慰めたいからだし、ぼくが永遠にいなくなったわけじゃないことを伝えたいからでもある。それに、いたずらはエリックのエリックたるゆえんなんだよ。
家族はすぐにぼくだってわかってくれるだろう。ぼくが気にいっているのは電気を使ういたずらだ。テレビやいろんな家電製品やコンピューターの電源を入れたり切ったりする。
…ラジオで特別な曲を流す。それからプレーヤーの再生リストを入れ替えて特別な曲が再生されるようにする。
その曲がメッセージを運んでいるみたいに特別な意味を感じてくれたらうれしい。
どれもエネルギーの構造を変えればできることだ。さっきも言ったように、電気エネルギーはスピリットのエネルギー体とよく似ているから、とても扱いやすい。
また、ぼくは物体動かすこともできる。これはそれほど簡単じゃない。
…まず、缶の周りのどこか一カ所の周波数を下げたら、その部分のエネルギーを僕のエネルギーで前に押し出す。ここで言うエネルギーは、前に書いた、クラゲみたいなフィルターを通って入ってくるエネルギーだ。
そして、そのエネルギーの周波数を下げて高密度にし、地球上の物質の周波数に合わせる。こうすれば少なくとも同じ位の密度の物体なら動かすことができる。
…生きていた頃のぼくが物を動かす時は、それに触っていたけれど、今はエネルギーを使って物に触って動かしているってわけだ。
ぼくはいろんな物を動かした。一度は、姉のミシェルが洗面所で母の化粧品の入った引き出しをこっそり開けていた時、水道の蛇口を少しずつ開けてみた。
いやぁ、あの時の悲鳴をきみにも聞かせてやりたかったよ。それから家族がキッチンにいるときに、ドアをロックしちゃったこともある。閉じ込められた家族は車でランチを食べに行けなくなったけど、みんな僕の仕業だとわかっていたので、笑っていた。
…ある時僕は、姪のアーリーンの友好的なエネルギーを使って、彼女のベッドのそばのナイトテーブルに置いてあった水差しをクルっと回した。
このプロセスはエネルギーを増幅させることで、二つのエネルギーの間に抵抗を生み出すんだと思う。二つの磁石の同じ極を合わせると、反発しあって、二つの磁石は離れるよね。
この抵抗が水差しの方が押すことで回転したんだ。
… 人の夢の中へ入るのはサーフィンに行っている。ぼくは何度も姉のミシェルの夢の中に入った。
…人が夢を見ている時、脳波は一定のパターンを描き、意識のありかを示す。その時意識は、地球とは別の次元に投影されているんだけど、その次元はぼくがいる次元に近い。
なぜなら、人が夢を見ているときの周波数は、スピリットの周波数にとても近いからだ。
例えば、人の夢が五次元に投影されていて、ぼくが六次元で振動しているとしよう。
ぼくにとって、人が夢を投影している次元を見つけて、そこへ入り込むのは簡単なことだ。といっても、誰の夢にでも飛び込めばいいわけじゃない。ぼくは必ず、相手が本当にその体験を必要としているかどうか確認する。だからぼくは、間違いなく助けられるとわかっている人の夢にしか入っていかない。
…物体を隠すのはめちゃくちゃ楽しい。だから、いろんな方法で隠してる。
相手の視界をさえぎって見えなくすることもできる。その方法を使うのは、相手に見せたくないものがあるときだ。そこにいる全員から何かを隠したいときは、その物の前にエネルギーを出現させて、後ろの空間を映し出す。ちょうど透明人間のマントのようなものだ。
…ぼくは家族に鳥肌を立たせるのも大好きだ。
母親とコミュニケーションをとろうというときに、おもに使う手段なんだけど、
…ぼくが作り出すのは、次の二種類の感覚のうちのどちらかだ。
一つ目は、ぼくのエネルギーフィールドの外側の層を相手のエネルギーフィールドと同化させることで、相手の肌に接している空気、またはエネルギーを変化させる方法。でも、ぼくの周波数を下げないと、相手は感じられない。すでに話した通り、相手の周波数と同調していないとだめなんだ。これは、物体移動の場合と似ている。物体を動かすためには、周波数を個体の周波数に近づける必要がある。
二つ目は相手の脳の中の、鳥肌の感覚をつくり出す領域をいじる方法。これはそのボタンを押すだけで良い。
…最愛の家族や親しい友人を亡くした人が、鳥や、蝶などの訪問を受けると、亡くなった人が姿を変えて現れたのだと考える。そう思いたくなる気持ちはわかるけど、事実は少し違う。
でも、そういう場合、残された人にとっては特別な瞬間だから、ぼくは、羽のある生き物に働きかけて、その人のもとへ誘導するようにしている。
よく使うのが蝶だ。とても誘導しやすい。ぼくは自分のエネルギーを使って、ねらった方向へトンボが飛んでいくように、周囲のエネルギーを操作すればいい。
ちょうどドローンを飛ばすようなものだ。周囲のエネルギーがトンボのエネルギーに流れ込んだら、そこからはぼくの出番だ。母には何度もこの手を使った。ある時、トンボに母の周りをグルグル飛び回らせて、そのあと母のとなりの椅子に止まらせたことがある。
…人間にいたずらを仕掛けて楽しむときのコツは、その人の懐疑心を少しずつ溶かしていくことだ。怖がらせたり、いっぺんにあまりにも強烈な体験をさせたりするのは良くない。
逆効果になる。ぼく自身もリラックスして、楽しみながらの方が良い。
そしてその楽しさを、浅からぬ縁を持つ人たちにも味わってもらいたい。
結局、ただ怖がらせるだけで、相手が心を開こうともせず、一緒に体験を楽しんでくれなかったら、何の意味がある?
(以上278から288ページまで部分引用)